安全な方針
生物多様性と生態系の生産性や安定性との関連において・・・
私たちの理解や知識が必ずしも十分でない現状では、生態的な機能維持に関して生物多様性低下の許容レベルなどを設けることは、個別の生態系を対象とした場合においても困難です。
現状では、生物多様性の低下、種の絶滅は何らかの生態的な機能変化を伴う危険があると考え、自然の豊かな生態系については、目標を少なくとも現状の生物多様性の維持に置くことが必要でしょう。
そして、それは、「種を絶滅させない」という目標によって実現されます。
絶滅させないようにするための当面の目標は、「個体群が自然の変動を超えて衰退することがないようにする」ということ。
ここでサクラソウの保全に関して具体的な提案を行ったように、種の絶滅や衰退を防ぐということは、適切な管理をするということにほかならないのです。
種や個体群を保全するための管理は、試行錯誤を伴う生態系レベルの実験でもあります。
その過程で、生物多様性の成り立ちや生態系の機能や安定性との関係などについて、私たちの理解は大いに深まるはずです。
保全生態学は具体的な実際的課題を扱いながら、生態学の基礎的な問題にも迫ることができる研究分野です。